私の夜は、静かです。仕事を終えて、ひとりで夕飯を済ませて、部屋の灯りを少し落とす。鑑定文を書くのは、たいていそんな時間です。
書き終えたら、声に出さずに一度だけ読み返します。確かめているのは、文章の正しさだけではありません。眠れない夜に開いた時、呼吸が少し深くなるかどうか。そこです。
鑑定は、お伝えして終わりではありません。相談者様が一番不安になるのは、受けた後の静かな夜。画面を閉じて、ひとりに戻った時間です。私にも、返ってこない連絡を待って夜を数えた時期がありました。だから、その時間の長さは知っています。
読み返す前に、決めている習慣があります。好きな歌のサビを、ひとつだけ口ずさむこと。BGMはつけません。静けさの中で、サビだけ。私なりの音楽浄化です。効果を言い切るつもりはありませんが、言葉の角が丸くなる感覚はあるんです。
そのあと、グラスに注いだ水を、明かりにかざして眺めます。美しい水を眺めていると、頭の中のざわつきが沈んでいきます。朝なら、ベランダで鳥の鳴き声を聞く日もあります。
窓を少し開けると、夜に風鈴の音が届くことがあります。祖母の家の縁側にあった風鈴と、音が似ているんです。祖母はよく言いました。「その言い方で、相手は眠れると思ってるの?」鑑定文を書く手が止まった時、あの声が戻ってきます。
整えた言葉の最後に、一文だけ添えます。「不安になった夜は、この鑑定文に戻ってきてくださいね」その一文を書く時は、眠れずにいる誰かの顔を思い浮かべています。一度読んで終わる文章より、何度でも戻れる文章を。それが私の仕事の芯です。
今夜、誰かに言葉を残すなら、その人が読み返す夜を少しだけ想像してみてください。そして自分の夜にも、好きな歌のサビをひとつ。静かな音がひとつあれば、夜は思ったより越えられます🌙
この記事を書いた人
澪音霊視で鑑定しています。 「見ようとしなくても、見えてしまう」この力は祖母から受け継ぎました。以前はコールセンターで管理職をしていて、たくさんの人の声に向き合ってきました。 ブログでは占いのことや、日々の暮らしで感じたことを綴っています。気軽に読んでもらえたら嬉しいです。

